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>>「力学」の平原

仕事(その3)

 

クエスト概要

 多くの教科書で採用されている説明方法と比較することで「仕事」の概念を確立させましょう。

 攻略時間が長めになる傾向がありますが、複数の教科書の広い範囲を把握して比較することに時間が取られてしまうからです。 個人差が大きく出ますが気にせずじっくり時間をかけて取り組むのが良いでしょう。

 

クエスト発生条件

仕事(その2)をクリア後に選択可能になります。

 

攻略法

 ここまで運動方程式だけから仕事の概念を導いてきました。 しかし別の順序で説明する教科書も多くあります。 内容は同じなのですが印象が大きく違ってきますので、慣れるためにそういう話の流れも見ておきましょう。

 多くの教科書では仕事の定義を真っ先に持ってきます。 仕事とは力と移動距離の内積で表される量であることが説明されます。 これはそのように定義されたものなので、なぜそのような量を考えるのかについては疑問を持たず、この時点ではそのまま受け入れるしかないものです。 (ここでベクトルの内積とは何であるかという詳しい話が挿入されることも多くあります。) また、物体の移動経路に沿って微小な仕事の値を計算しながら合計していく方法(線積分)が説明されます。

 仕事の値が正の場合、「(力を掛けた何者かが)物体に対して仕事をした」あるいは「物体は仕事をされた」と表現し、負の場合には「物体が仕事をした」あるいは「(物体に力を掛けた何者かが)物体によって仕事をされた」という表現をします。 そして、仕事というのは実はエネルギーの増減を表す量であり、仕事をすればエネルギーが減り、仕事をされればエネルギーが増えるという説明が続きます。 現代人はエネルギーという概念についてはある程度はイメージを持っていますし、高校物理でもごく大雑把な形で学びますので、このようなざっくりした感じの説明の方がかえって分かりやすいという面もあります。

 続いて、移動経路に関係なく仕事の値が決まるような場合にはエネルギーが保存していると言えることが説明されます。 なぜなら、出発点と到達点さえ決まれば仕事の大きさがいつも同じになるのですから、どんな経路で移動しようとも同じ場所に戻ってくればエネルギーの収支はいつでも 0 になっているからです。 このことから、エネルギーが保存するような場合には「位置エネルギー」という概念を導入できることが説明されます。 (ここで、移動経路に関係なく仕事の値が決まるためにはどんな条件を満たしていればいいのかという数学的な話が挿入されることも多くあります。) さらに、エネルギー保存が成り立っていれば位置エネルギーだけから力が求められることや、そのようにして求められる力のことを「保存力」と呼ぶことなどが説明されます。

 このような説明手順の利点は、エネルギーが保存するかどうかに関わらず仕事が生じている場面では必ずエネルギーのやり取りが行われているということを統一的に印象付けることができる点にあります。 一方、弱点としては、運動エネルギーと位置エネルギーの関係が自然に出てこないので、別の論理を使って補う必要が出てくるところが挙げられます。 あまり根本的なところまで深く考える必要の無い工学系の学生に重要な知識を無理やり叩き込むにはちょうどよい説明方法になっています。

 

参考資料

(要編集:ヒントが載っている魔導書ページへのリンク、記載されているページ数など)

 

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Last-modified: 2019-08-05 (月) 11:02:13