>>「力学」の平原
ニュートンが見出した万有引力の法則が伝授されます。
万有引力と重力の違いに困惑しているプレイヤーを多く見かけますが、このクエストを丁寧にやり直すとヒントが出てきます。
力学ぶらり旅(その3)をクリア後に選択可能になります。
質量とは何かを先にクリアしておくとスムーズに繋がります。
2つの物体の間に働く引力の大きさは次のような式で表されることが分かっています。
\[ F = G \frac{m_1\,m_2}{r^2} \]
\( m_1 \) と \( m_2 \) は2つの物体のそれぞれの質量で、\( r \) は2つの物体間の距離を表しています。 \( G \) は比例定数で「万有引力定数」または「重力定数」と呼ばれています。
このような形の引力が働いていることはニュートンによって発見されました。 ニュートンはこのような引力を仮定することによってケプラーの法則を説明することに成功したのですが、その足跡をたどることはもう少し後になってからチャレンジしてみましょう。
ニュートンはこのような引力を「万有引力(universal gravitation)」と呼びました。 彼以前の時代には「天体の運行を司る法則」と「地上の物体の運動法則」は別々のものであろうと信じられていたのですが、ニュートンは天上界にも地上界にも共通の法則が成り立っていることに気付いて感動したわけです。 「まさにこれこそは宇宙全体であらゆる物体に共通に成り立つ法則だ」という意味が込められています。
ただ、現代の理論物理学の多くの分野では「万有引力」という言い方をすることは減っており、代わりに「重力」という言葉がよく使われます。 幾つかの分野では「万有引力」と「重力」とはほぼ同義語で、前者はニュートンの時代の古めかしいニュアンスを敢えて含ませたいときに使われたりします。
しかし「万有引力」と「重力」を明確に別のものとして区別して使っている分野もあるので注意が必要です。 例えば地球科学や気象、衛星軌道などを扱う分野がそれに当たります。 純粋に質量と質量の間に働く引力のことだけを指して「万有引力」と呼び、それに地球の自転による遠心力を含めた、物体に働く合計の力のことを指して「重力」と呼んでいます。 地上で測定する重力加速度の値 \( g \) は遠心力の影響をも含んだものだからです。 遠心力も万有引力も物体の質量に比例するので、測定ではこれらを区別できません。 それらを合わせたものを重力と呼び、その測定値を「重力加速度」と呼ぶことは理にかなっていると言えるでしょう。
重力定数 \( G \) が測定されたのはニュートンの没後 70 年ほどが経過(1798)してからのことです。 キャベンディッシュが他の人のアイデアを引き継いで測定装置を完成させました。 室内の実験装置内に吊るされた2つの質量の間の微小な引力を、精巧なねじり天秤装置で測定したのです。 キャベンディッシュ自身は重力定数を求めることはしませんでしたが、後の人がこの実験から重力定数や地球全体の質量を導けることに気が付きました。
このように、万有引力は私たちの身の回りの物体どうしの間にもごく僅かに働いていることが実験でも確かめられています。
(要編集:ヒントが載っている魔導書ページへのリンク、記載されているページ数など)