>>「力学」の平原
重力ポテンシャルを表す関数だけから力の3成分が正しく得られることを確認します。
「位置エネルギーを求める」と「保存力」の両方をクリア後に選択可能になります。
地球の重力ポテンシャルは、地球中心からの距離 \( r \) を使って次のように表されるのでした。(「位置エネルギーを求める」を参照)
\[ V(r) \ =\ -GMm \, \frac{1}{r} \tag{1} \]
これを、地球中心を原点とするデカルト座標で表すと、次のようになります。
\[ V(x,y,z) \ =\ -GMm \, \frac{1}{\sqrt{x^2+y^2+z^2}} \tag{2} \]
これを使って次のような計算をすれば各点で働く力を求められるはずです。(「保存力」を参照)
\[ \begin{align*} F_x \ &=\ - \pdif{V}{x} \\[5pt] F_y \ &=\ - \pdif{V}{y} \tag{3} \\[5pt] F_z \ &=\ - \pdif{V}{z} \end{align*} \]
まずは \( F_x \) だけを計算してみましょう。
\[ \begin{align*} F_x \ &=\ GMm \, \pdif{}{x} \left( x^2 + y^2 + z^2 \right)^{-1/2} \\[5pt] &=\ GMm \, \left( -\frac{1}{2} \right) \left( x^2 + y^2 + z^2 \right)^{-3/2} \cdot 2x \\[5pt] &=\ -GMm \, \frac{x}{r^3} \\[5pt] &=\ -\frac{GMm}{r^2} \, \frac{x}{r} \tag{4} \end{align*} \]
他の成分についても、少し記号が違っているだけで、同じような結果が出てきます。 力の 3 つの成分を次のようにまとめて表すことができます。
\[ \Vec{F} \ =\ -\frac{GMm}{r^2} \, \frac{(x,y,z)}{r} \tag{5} \]
ここに出てきた \( (x,y,z) \) というのはちょうど物体の位置を表すベクトルになっていますので、 それを \( \Vec{r} \) という記号に置き換えて表すことにします。
\[ \Vec{F} \ =\ -\frac{GMm}{r^2} \, \frac{\Vec{r}}{r} \tag{6} \]
\( \Vec{r}/r \) という塊に注目してみましょう。 \( \Vec{r} \) というのは位置ベクトルで、その長さは中心から物体までの距離です。 それを中心からの距離 \( r \) で割っていますので、全体としては物体の存在する方向を向いた長さ 1 のベクトルだと解釈できます。 つまりこの力は、大きさが
\[ |\Vec{F}| \ =\ \frac{GMm}{r^2} \tag{7} \]
であり、その方向は物体がどこへ行っても地球の中心を向いているということが分かります。 私たちがよく知っている地球の万有引力が、ポテンシャルだけからちゃんと再現されました。
(要編集:ヒントが載っている魔導書ページへのリンク、記載されているページ数など)