#author("2019-06-13T08:48:05+00:00","default:EMAN","EMAN") #mathjax >>[[「力学」の平原]] *力学ぶらり旅(その3) #br **クエスト概要 まずは力学分野の全体を眺めて歩き回りましょう。&br; 3つのチュートリアルの最後です。 #br **クエスト発生条件 [[力学ぶらり旅(その2)]]をクリア後、自動的に始まります。 #br **攻略法 力学では話を簡単に進めるために「&color(red){質点};」という概念を使います。 物体の質量がまるで一点に存在しているかのように考えて位置を表すわけです。 現実の物体には形や大きさがありますから、これはかなり大胆な仮定です。 ところがそのように考えても問題ないということが、やはり運動方程式から導けてしまいます。 しかし初めのうちはそこまで考える必要がありませんから気にしないでおきましょう。 形や大きさがあるような物体は、それ自体が姿勢を回転させながら進んだりします。 そのような複雑な運動を論じるには何が必要になるでしょうか。 少し大変なのですが、 互いに連結した多数の質点の集まりだとみなして計算すればちゃんと現実の運動と同じになります。 そのようなことを考えるための準備として、 まずは 2 つの質点が連結した場合を考えることになるでしょう。 それだけでもかなりのことが理解できるようになるはずです。 多数の質点どうしの距離が少しも変わらない物体を「&color(red){剛体};」と呼びます。 現実の物体は力を加えれば少しは歪んだりしますので、剛体というのは理論上だけの理想的な性質を持った物体です。 このような仮定を使って、簡単に変形しない硬い物体の運動を論じる分野を「&color(red){剛体力学};」と呼びます。 「剛体力学」は力学の一分野です。 物体に力を加えると変形して、力を加えるのをやめると元の形に戻るような物体を「&color(red){弾性体};」と呼びます。 そのような物体の変形を論じる分野を「弾性体力学」と呼びます。 「&color(red){弾性体力学};」は力学の一分野です。 しかし、物質工学のような応用的な雰囲気が強い分野なので、物理学としてはあまり深入りしないで済ますことが多いです。 これらの他に、自由な変形をするような物体について論じる「&color(red){流体力学};」というものもあります。 流体の定義は、今はまだ正確に説明するのが難しいのでやめておくことにしましょう。 簡単に言えば、液体や気体の運動について論じる力学です。 「流体力学」も力学の一分野ですが、力学の教科書に収まり切らない広さがありますので、ほぼ独立した別分野のように扱われています。 ついでですからここで「力学」と付く他分野の紹介もしておくことにします。 「&color(red){熱力学};」は力学の応用分野です。 熱による気体の膨張と力の関係などについて論じます。 「力学」とは別の独立した分野として扱われています。 「&color(red){統計力学};」は気体の分子運動論を元にして発展した分野で、熱力学より後の時代に生まれましたが、熱力学の親分的な存在になりました。 統計力学は液体や固体についても論じることができるようになっています。 「熱力学」と「統計力学」はしばしば一冊の教科書の中でまとめて扱われたりもします。 しかし「熱力学」は廃れてしまったわけではなく、その基礎的な地位を保っています。 「&color(red){解析力学};」という分野もあります。 「解析学」というのは数学の「微積分学」の別名です。 つまり、力学の問題を、微積分をフル活用して、より抽象的に、より高度なテクニックを駆使して解こうという分野が「解析力学」です。 まるでニュートン力学の理論体系の全体を外側から見下ろすかのような広い視野を手に入れることができるようになります。 「力学」と題した教科書の中身が実は「解析力学」であることもあります。 「ラグランジアン」や「ハミルトニアン」という用語が出てきたら、それは「解析力学」だと判別できます。 それでは、ぶらり旅はこれくらいで終わりにしましょう。 #br **参考資料 (要編集:ヒントが載っている魔導書ページへのリンク、記載されているページ数など) #br **コメント #comment