>>「力学」の平原
ばねに繋がった物体の運動を重力も考慮に入れて考えます。
ばねと単振動をクリア後に選択可能になります。
ついでにサクッとクリアしてしまいましょう。
ばねに繋がれて吊るされた物体について考えます。
運動方程式は次のように書けます。
\[ m \ddif{x}{t} \ =\ - k\,x \ -\ m\,g \tag{1} \]
両辺を \( m \) で割ると次のようになります。
\[ \ddif{x}{t} \ =\ - \frac{k}{m}\,x \ -\ g \tag{2} \]
これを解くことでどんな解が得られるかというのを結果だけ書いてしまってもいいのですが、それだとあまり面白くありません。 その解を (2) 式に代入してみて確かに成り立っていることを確認して納得するしかないからです。
そこで、ここでは少し物理学的な推理を交えて解いてみます。
質量 \( m \) の物体をばね定数 \( k \) のばねに吊るして静止させたとき、 力の釣り合いによって長さ \( -l \) だけ伸びたとします。 下向きに伸びるのでマイナスを付けて表しています。 式で表すと次のようになります。
\[ -m \, g \ -\ k \,(-l) \ =\ 0 \tag{3} \]
これを変形することで
\[ g = \frac{k}{m} \, l \tag{4} \]
という関係が成り立つことが言えます。 この (4) 式を (2) 式に代入してやると、
\[ \begin{align*} \ddif{x}{t} \ &=\ - \frac{k}{m}\,x \ -\ \frac{k}{m} \, l \\[3pt] &=\ - \frac{k}{m} (x + l) \tag{5} \end{align*} \]
となりますので、ここで新しい記号 \( X \) を導入して次のような長さを定義してみることにします。
\[ X = x + l \tag{6} \]
ばねが元々の長さになっているときの位置を \( x=0 \) としていますが、 物体が吊るされることでばねが下方に伸びて釣り合っている状況では \( x = -l \) となっていますから、 そのときには \( X = 0 \) となります。 つまり \( X \) は釣り合いの位置からの変位を表していることになります。
この (6) 式を変形すると
\[ x = X - l \tag{7} \]
ですから、これを (5) 式の左辺に代入してやると次のように変形できます。
\[ \ddif{x}{t} \ =\ \ddif{(X-l)}{t} \ =\ \ddif{X}{t} \tag{8} \]
\( l \) は定数なので時間で微分しても 0 だからです。 (7) 式と (8) 式を (5) 式に当てはめてやると、次の式が得られます。
\[ \begin{align*} \ddif{X}{t} \ &=\ - \frac{k}{m}\,X \\[3pt] \therefore\ m \ddif{X}{t} \ &=\ - k\,X \tag{9} \end{align*} \]
これは重力を考慮に入れなかった場合の単振動の方程式と同じ形をしています。 つまり、物体を吊るしたときの釣り合いの位置を中心にして全く同じ動きをすると考えていいということを意味しています。
(要編集:ヒントが載っている魔導書ページへのリンク、記載されているページ数など)