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(ただいま編集は制限させていただいております)






>>「力学」の平原

ロッシュ限界

 

クエスト概要

 

クエスト発生条件

潮汐力」をクリア後に選択可能になります。

 

攻略法

 巨大な天体に近付くと、小さな天体は潮汐力によって崩れてしまいます。 以後の説明では大きい方の天体を主星と呼び、小さい方の天体を伴星と呼ぶことにします。 主星の質量を M1、半径を R1、伴星の質量を M2、半径を R2 として、 どこまで近付いても大丈夫なのかという条件を調べてみましょう。

 主星と伴星の距離が r であるとき、 伴星を引き伸ばそうとする潮汐力 F は次のように表されます。(「潮汐力」を参照)

F = 2GM1mR2r3

 ここで、m というのは伴星の表面に転がっている岩か何かの質量を意味しており、F はその岩を地面から持ち上げようとする方向の力です。 一方、この岩か何かの物体は伴星の万有引力に引かれているので天体の表面にあるわけです。 二つの天体がどこまで近付けばこれらの力がちょうど釣り合うかを計算してみましょう。

2GM1mR2r3 = GM2mR22

 左辺が潮汐力で、右辺が万有引力です。 この式を整理していきましょう。

2M1r3 = M2R23

 主星を中心としたこの半径 r 以内の領域に入ると、万有引力よりも潮汐力の方が勝ってしまい、伴星の表面の物体は一斉に浮き上がり、伴星は自壊を始めるというわけです。 この半径を「ロッシュ限界」と呼びます。 (3) 式の表現では伴星の質量 M_{2} や半径 R_{2} が使われているので、主星が沢山の小さな伴星を従えている場合にはそれぞれの伴星ごとに計算し直さなくてはいけなくなります。 もう少し使いやすい形に書き換えてみましょう。 主星の密度を \rho_{1} 、伴星の密度を \rho_{2} とすれば、

\begin{align*} r \ &=\ \left( \frac{2\,M_{1}}{M_{2}} \right)^{\frac{1}{3}} \, R_{2} \\[3pt] &=\ \left( \frac{2\,\frac{4}{3}\pi {R_{1}}^3 \, \rho_{1}}{\frac{4}{3}\pi {R_{2}}^3 \, \rho_{2}} \right)^{\frac{1}{3}} \, R_{2} \\ &=\ \left( \frac{2\,{R_{1}}^3 \, \rho_{1}}{{R_{2}}^3 \, \rho_{2}} \right)^{\frac{1}{3}} \, R_{2} \\ &=\ \left( \frac{2\, \rho_{1}}{\rho_{2}} \right)^{\frac{1}{3}} \, \frac{R_{1}}{R_{2}} \, R_{2} \\ &=\ \left( \frac{2\, \rho_{1}}{\rho_{2}} \right)^{\frac{1}{3}} \, R_{1} \tag{4} \end{align*}

のようになり、主星の半径 R_1 でおおよそ決まる形に表現できます。

 さて、以上の話は伴星が崩壊を始める直前まで伴星が球形を保っていたという前提で計算してみたのでした。 ところが、伴星がガス天体だったりして非常にたやすく変形をする場合には、ロッシュ限界に入る前にすでに潮汐力によって大きく変形して引き伸ばされてしまっています。 そうなるとあたかも伴星の半径が増えたかのようになり、潮汐力はもっと大きく働くようになるので、ずっと遠くで自壊を始めてしまいます。 詳しく計算すると、その場合のロシュ限界は上で計算したよりもおよそ 2 倍程度の値になるようです。

 

参考資料

(要編集:ヒントが載っている魔導書ページへのリンク、記載されているページ数など)

 

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